【こうして生まれた ヒット商品の舞台裏】「やきやき」 象印マホービン(産経新聞)
■ニーズに合わせ1台4役
“巣ごもり族”の増加と相まって、家庭で鍋やテーブルを囲む機会が増えている。具材をそろえるだけで済むシンプルなホットプレートも家族団欒(だんらん)の場に欠かせないアイテムだ。
[フォト]お鍋のトレンド「締め」に異変 ブームで主役の座奪う勢い
象印マホービンのホットプレート「やきやき」は「1台4役」という優れものだ。野菜や魚介類の平面プレート、焼き肉に適した穴あきプレート、一度に30個作れるたこ焼きプレート。そして、ハーフプレート。具材を分けて焼く発想は「ニーズの多様化」から生まれた。一方で焼き肉、片方で焼きそばやチャーハンという具合に、好みに応じた調理ができる。
ホットプレートの開発に5年以上かかわってきた第2事業部の石井琢也サブマネジャー(36)は「家族団欒の場を増やすことはもちろん、少しでもおいしい状態で長く使ってほしい」と日夜、プレートの改良点を模索してきた。
昨年夏に発売されたシリーズの新商品では、使用頻度の最も高い平面プレートに改良が加えられた。セラミックとチタン入りフッ素のコーティングを計3度施して表面を強化。これにより、耐久性が大幅にアップ。プレートの表面もディンプル仕上げに加工したため、こげつきにくい構造にもなった。「2日に1回使うことを想定した場合、約5年の耐久年数がある」と石井さん。「月産1万台」の生産計画数を上回るペースの人気商品だ。
総重量約10キロとやや重いが、収納ホルダーにハンドルが付いているため持ち運びに適し、横置き、縦置きの両方に対応できる。
今後の“進化”のポイントは「プレート表面の予熱時間の短縮」という。IHタイプのホットプレートが市場に出回る中、短時間で手間のかからない調理こそがホットプレートの真骨頂だ。(日出間和貴)
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総重量約10キロとやや重いが、収納ホルダーにハンドルが付いているため持ち運びに適し、横置き、縦置きの両方に対応できる。
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